ルイ・ヴィトンのバッグのヌメ革全体を交換する修理についてはこれまで何度もご紹介してきましたが,今回は同じように革部分全体を交換する修理のご依頼で,ブランドはフェンディです。
東京都にお住いのお客様から以下の通りご連絡頂きました。
「底の部分のパイピングは全体的に傷がありますので交換が必要と思います。留め金部分の革も交換したいです。また、持ち手部分には大きな傷はありませんが、長期保管していましたので、皮が古い場合は変更したいです。
バッグ部分 約18cm×25cm
持ち手部分 約35cm」
フェンディの場合は,ヴィトンのモノグラム等とは違い本体が生地なので,分解する際傷つけたり,生地がほつれたりしないよう注意する必要があります。
とは言え,同じように革部分全てを分解し,似た色の革で同じように作り直していきます。
まずは修理前の状態はこんな感じです。
鞄の全体像がこちら。
留め具の革部分も革の表面が劣化して割れてきており,色が剥げています。
持ち手の革の表面も劣化しており,いまにも割れてきそうな状態です。
底のパイピング部分も角の所が擦り切れてしまっています。
ちなみにこの部分は本革ではなく合成皮革です。
分解して取り外した革部分と全く同じように,似た革を切り出して作っていきます。
左側が古い革部品で,右側が新しく作った革部品。留め具部分の金具も取り外して移植しました。
留め具部分の革はこんな感じに仕上がりました。
持ち手もこんなに綺麗になりました。
底の部分も同じようにパイピング全体を取り外し,新しい革を取り付けます。
出来上がりの全体がこちらです。
革部分を新品にするだけで,鞄全体が新しくなったように感じますね。
同様のご依頼をお待ちしております!